冷麺を食べて大人になった25の春

本当に久しぶりに焼肉を食べに行った。

しかも安安みたいな安焼肉ではなくて、家族経営の美味しそうなところ。

 

お肉ももちろん美味しかったのだが、何よりシメに食べた盛岡冷麺の美味さったらない。

家族で焼肉に行った時など親が冷麺を食べているのを見たことはあるが、多分一回も食べたことがなかったと思う。焼肉に行ったのに肉以外を食べるなんて!!と思いいつも石焼きガーリックライスを食べていた気がする。

しかも冷たいご飯があまり好きじゃなく、お酢も好きじゃないのでほんとうに興味もわかない食べ物だった。

がしかし、今日は冷麺が食べたくなったのだ。

 

時短要請が出ており、ラストオーダーまで1時間半しかなかったので、間髪入れずにお肉を頼み、夢中で食べた。普段は食べるライスも頼まず、肉以外はサンチュとカクテキだけだった。

お腹いっぱいお肉を食べて一息ついた時、無性に冷麺が食べたくなった。

盛岡冷麺とはなんぞやというレベルでありながら、胃の中の油をどうにかさっぱりさせたい気持ちがまさっていた。

 

冷麺を一口食べた瞬間うまい!という声が漏れた。

冷たくてコシのある麺、さっぱりしながらも少し辛いキムチの味、たまらなかった。

お酢を加えたらこれがどうして、さらにさらに美味しかった。

なんなんだこれは。

盛岡冷麺おそるべし、明日も明後日も食べたいと思わせる最高の一杯だった。

 

そして冷麺美味しかったなあという気持ちと同時に、大人になることって、こういうことの積み重ねなのかもしれないな、と夜風に吹かれ歩きながら思った。

 

冷静になれば、単純に肉ばっかり食べられる若さがなくなったというのと、肉を食べなきゃもったいないという気持ちがなくなったこと、久しぶりの外食で普段食べないものを頼みたくなったことが重なって冷麺という選択肢に結びついたのだと思う。

どうでもいいことではあるが、冷麺の美味しさに気づいた25の春を記録しておきたい。